からたちの花
Inutaro Nagareboshi, Yosui Inoue
からたちの花が 咲いたそうだよ
夜の夜中で目が見えず
白い白い花をつまんだよ
冬でもないのに雪が降る
あんたとあたいの肩につもる
あんたとあたい 仲も悪いしあたまも悪い
なのにふたりに なのにふたりに
おんなじように雪が降る
からたちの刺は 痛いそうだよ
夜の夜中は眠たくて
痛い痛い刺をつかんだよ
怪我でもないのに血がにじむ
あんたもあたいも指をなめる
あんたとあたい 運も悪いしからだも弱い
なのにふたりに なのにふたりに
おんなじように血がにじむ
あんたとあたい くちも悪いしきだても悪い
なのにふたりに なのにふたりに
おんなじように雪が降る