抱きしめたい [加橋かつみコンサート/'71.4.14/東京サンケイホール]
matsumoto takashi
淡い光が吹きこむ窓を
遠い田舎か飛んでゆきます
ぼくは烟草をくわえ
一服すると
きみのことを考えるんです
黝い煙を吐き出しながら
白い曠地を切り裂いて
冬の機関車は
走ります
きみの街はもうすぐなんです
ゴオ ゴオ ゴオ と
雪の銀河をぼくは
まっしぐらなんです
飴いろの雲に着いたら
浮かぶ驛の沈むホームに
とても素遠く飛び降りるので
きみを燃やして
しまうかもしれません