空に溶けてゆきたい
千賀庫 五味
とぎれた雲の隙間に差し込む太陽
目を細めた
草原の風は私に
かるいめまいさそう
「一人きり旅に出ています」と
一言残した電話のメッセージ
幼い頃にあこがれてた街が
見降ろせる丘の上にたたずむ
空に溶けてゆきたい このまま
悲しいこともすべて
生まれ変われるならば
私をさらって やすらぎをください
やさしい母のぬくもり
包まれていた少女は今
異国の風にさまよい 誰を探してる
誰だってはるかなる
大地をさまよう旅人
過去へ未来へ
時間に追われる毎日も
つらい出来事も
忘れさせてほしいの
空に溶けてゆきたい このまま
なにもかも
なげ捨てて生まれ変われるならば
夢を描いてた 私に戻りたい