ラストショー
さよなら バックミラーの中に
あの頃の君を 探して走る
さよなら 二人演じた場面を
想い出す もう一度 もう一度
ハンバーガー・スタンドで
俺達待ちあわせて
君の親父の車 夜更けに盗み出し
遠くへ (街の灯り背にして)
遠くへ (誰もいない海まで)
君の肩を抱いて 飛ばしたね
真夜中
浜辺に車止めて 毛布にくるまって
互いの胸の鼓動
感じたね夜明けまで
あの頃 (カーラジオから俺の)
あの頃 (お気に入りの
"Like a rolling stone")
星は君のもので
月は俺のものだった
さよなら 想い出の中の二人
まるでスクリーンのヒーローだった
さよなら セピア色のフィルムに
苛立ちと優しさと 怒りを
焼き付けた二人
シートに身を沈めて
ぽつんとつぶやいた
「あなたの夢の中で
生きてゆけるかしら?」
きっと (別々の車線を)
きっと (走り始めていたんだね)
二人違う景色の
中でひとりぼっちで
さよなら エピローグは俺ひとり
明け方の 海岸線を走る
さよなら
フラッシュ・バックのような
過ぎた日々 抱きしめてもう一度
忘れるために
さよなら バックミラーの中に
あの頃の君を 探したけど
さよなら ボンネットを叩く雨
もう何も見えないよ
もう何も聞こえないよ
さよなら...