初恋のように
祐穂 岩里
手のひらに
あたたかな雨が降ってる
石の広場のすみに
こわれかけてる木造りのシーソー
傘の中
抱き寄せるあなたの腕を
笑いながらほどいて
いたずらに漕いでみるの
私たち 誰にも邪魔されず
生きてゆきたいわ
忘れてしまったたいせつなものを
あなたといると思い出せるの
愛してる...
まるで初めて恋をした
幼い日の少女ね
瞳をかがやかせながら
出会いに見とれた
霧雨をくちびるに含み
ふたりは見つめ合う
はりつく前髪かきあげてくれた
指先にからだがふるえたわ
愛してる...
それは初めて恋をした
遥かな日の少女ね
永遠さえ信じながら
はしゃいでいたくて