トイレットペーパーブルース
Ai Otsuka
キップきられた初夏の午後
憎々しい警察の若僧
渡された紙切れ一つで
財布の中身は大喧嘩
泣いて巻いて泣いて温めて
泣いて巻いて泣いてちぎって
泣いて巻いて泣いて殴り捨て
「また」の間から手を振れば流れる
読み直せばとまらなくて
トイレの中に積み上げられて
笑わせてはほろりと効かせる
先が気になる宇宙兄弟
泣いて巻いて泣いて揉み込んで
泣いて巻いて泣いてちぎって
泣いて巻いて泣いて潤って
「また」の間から手を振れば流れる
憧れあの人としゃべり
あがりあがる顔うつす鏡
笑ったその歯についていた
昼食べた焼きそばの青のり
泣いて巻いて泣いて鼻かんで
泣いて巻いて泣いてちぎって
泣いて巻いて泣いて裏がえし
泣いて巻いて泣いて鼻かんで
泣いて巻いて泣いてちぎって
泣いて巻いて泣いて芯たてて
「また」の間から手を振れば
「また」の間から手を振れば
流れる