ユウレイ
Mafumafu
これからのことは 他愛ない
後書きだったとしても
それでいい それでいいからさ
お話がしたいな
誰の記憶にも残らない
出来の悪い映画が
今さら 今さらだけれど
続きを描いている
大事なことは何だって 言いづらいし
笑えない胸が痛んだって
いや 気のせいなんだ
そうして黙って生きてきた
口なしのボクの手を 握ってくれたの
ねえ
言いたいことは何ですか
伝えたいことも無いのでした
半分透けている ボクはユウレイ
きっと人知れず霞んでしまうよ
貴方が逃がさないように
見つめてください
貴方の隣は 限られた数の椅子しかないから
ひとりぶん ふたりぶんくらいかな
離れて腰かけた
貴方のくれない人生は
読み飛ばしたつまんない雑誌に書いていた
落書きみたいだ
知らないほうがいいのかな
幸せは後味が口に残るから
どうして
偶然そこに落ちていた
ずっと探していた明日
取る手もない ボクはユウレイ
際限のない空白に浮かび上がった
見慣れたあの雲のように
忘れてください
ただ 同じ景色を見たい
ただ 貴方が感じた全てを
ボクも見ていたいよ
言いたいことはないですが
伝えたいこともないですが
届かぬ声で泣くユウレイ
言うべきことじゃないですが
あの日から たぶん
貴方が好きでした
言いたいことは何ですか
伝えたいことも無いのでした
半分透けている ボクはユウレイ
きっと人知れず霞んでしまうよ
貴方が逃がさないように
見つめてください
不意に忘れそうな思い出の終わりに
いさせてください