憂世
章 徳永
地下鉄の広告に
若い夫婦は ため息をつく
緑のくらしの 言葉の奥で
誰かが舌出し 笑っている
休日の大通りは
まぶし過ぎる 服を着た
迷い子たちで あふれ過ぎ
ひしめき合って 日が暮れる
おしえて欲しい 束の間の
目的の向うに
一体 何が見えるのか
一体 何が見えるのか
年老いて ふりかえり
きっと あなたは思うだろう
一体 何を求めて
生きて 来たのか 思うだろう
おしえて欲しい 束の間の
目的の向うに
一体 何が見えるのか
一体 何が見えるのか