我、薔薇に淫す
Arika Takarano, Takuya Sakai
わが剣を 抜く度
鉄の荊が 腕に絡む
胸を這い 食い込んで
咲くのは 一輪
真紅に 凍る心臓
息づけ
誰の指にも
散らせぬ 薔薇よ
虚無へと 突き刺す
迷いなき意志
孤独の奈落で屹立せよ
醜き美し
憎悪はやがて
躰 総毛立って
悦びと化す
この世に舞う 光を
残らず闇の 羽根に変えて
頬伝う 血の涙
拭おう 今宵も
黒衣を 纏う魂で
目覚めん
蠢く葩よ 悪夢よ
幾度も 尽きることなく
さあ 開け
ただ一度の愛を知れど
渇き癒えることない
永遠を希む
神にも殺せぬ
この身は
虚無へと 突き刺す
迷いなき意志
地獄の果てまで進軍せよ
醜き愛おし
苦痛はやがて
躰 総毛立って
甘く 慄えながら
悦びと化す
微笑みの中