蜜薔薇庭園
アリカ 宝野
緑の指でここにいないあなたを
なぞりつづけて夢の扉探せば
乾いたくちびるにのせ
唄う恋も潤みだす
Rosengarten 秘密の茂み
埋もれ咲くのは蜜薔薇
Rosengarten うす絹脱いで
纏わりつく薫り抱き
切ない記憶を燻らすこの身は香水塔
迷い込んだらけして逃れはしないと
小さな棘は赤く熟み肌を刺す
この痛みが消えるとき
月は満ちてゆくのでしょう
Rosengarten 奥深くへと
羽音みちびく蜜蜂
Rosengarten 眩暈の淵で
あなたの名前呼ぶから
今宵の睡りのどこかで
きっと聞いてください
この想いを失って
生きるなどできるでしょうか
Rosengarten 秘密の園も
いつか荒れ果てるのなら
Rosengarten 涙の雫
まだ甘く零れるうち
わたしの心を溶かして
まだ見ぬ莟に捧ぐ