あん朱 大宮

変わり続ける街の中
今年もまた春は訪れ
移ろう景色の中に また 桜咲く
終わりいく季節を背中に
始まった季節に手を伸べ
長く歩いていく道には
また 桜が散る
一片の花びらは まるで
出逢いと同じで
咲いて いずれ散っていくのに
また咲こうとする
桜の花 舞う 風に 舞う ひらり
始まるもの全て
終わりがあることなど
知っているのに 人は幾度求め合い
また出逢い はらり
何故同じことばかり
繰り返していくのだろう

去年のわたしに手を振り
未来のわたしに夢を見る
過去と未来を繋いで また 桜咲く
どうして人は終わりを見て
儚く降る花びらを見て
美しいと思うんだろう
また 桜が散る 一片の花びらは
どこか 生命に似ていて
散っていくときには必ず
ただ一枚だけ
桜の花 舞う 風に 舞う ひらり
繰り返す季節に出逢いと別れをまた
繰り返して 知っていくのは痛みと
切なさと はらり
そして最後には皆独りで散る
ことを知る
宙を舞っていく 花吹雪
ひと ひら ふた ひら
数え切れないほどの雨に
わたしは立ち尽くして

桜の花 舞う
風に 舞う ひらりらら
人を知るその度 孤独である自分も
知っていくけれど
だから人は求め合い
また出逢い はらり
孤独知る程にまた
人が好きになっている

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