メルヒェン (Melfen)
信じきっていた世界の形だって
君の周りを廻り出して
右の方に傾いた
この手の中に
夢も何もなくて
だけど何かここにあって
胸をジリジリ焼いた
恋しい人が
君を抱きしめてくれたら
曖昧な夢が
秩序の底を打ち抜いた
からっぽになって
僕らは箱の中
を見ていた箱の外
どこにいるのか知らない
だけだった
それは君が忘れてた
伝え話しに似ていた
沈黙を探す為に
口を閉ざせないぼくたちが
語り継ぐ
無垢な童話をぼくたちは生きていた
愛しさというノイズを
欲しがって欲しがって
胸をジリジリ焼いた
逆立てていた
気持ちを削ぎ落とした
ここにある物語は
とてもシンプルだった
狼狽えたまま
僕らは箱の外
それとも深い箱の中
最後の頁を超えて
旅立った
1オクターブ外して僕らは歌う
歓びの残像
未来もそこにあって
君とまだ笑い合って
何か儚いものが
見えた