Losstime
Kazutoshi Sakurai
愛する者を看取った
ひとりの老婆は今日
エピローグ綴って
お迎えの時を待つ
「やがて いずれ そこに行くからね」
花瓶を置いて 写真の中に映る
過去と話している
ゆりかごを揺らし あやした
子供らも大きくなり
願った通り巣立った
今は都会で暮らす
「時間みつけて逢いに行くからね」
電話の声は想い出の歌のよう
静かに聞いている
みんな いずれ
そこに逝くからね
生きたいように
今日を生きるさ
そして 愛しい君をぎゅっと
抱きしめる