プリズナーNo.1, 2, 3
それは余りにも巨大な牢獄
いつになりゃあの自由に手が届く
そう誰もが夢見てきた脱獄
だが塀の外はとてつもなく遠く
それでも鉄格子とコンクリート
看守の目くぐり抜け勝つヒント
見つけたこのありふれた3人と
あまりに長い期間
ここにいるとまんざらじゃない
気がしてくんだ
これがまた不思議と
例えばこの最初の罪人
彼にとっちゃこの過酷な
獄中さえただの保証された衣食住
今さらシャバで暮らすなんて苦痛
むしろ感謝する
ことさえしょっちゅう
何不自由ねえんだ実際
そりゃ不満もあるがしょせん小さい
タテついたってロクに得ナシ
まぁ慣れるんだここ独自の暮らし
つまりあのことわざ通り住めば都
暇な時間活かす趣味を磨こう
仲間と手助けしあい
たまにゃ楽しめるバスケの試合
何より好きな絵を描いてるうちに
忘れちまうんだたいていの苦しみ
そんな時彼は独り言うんだ
心の底でオレは自由だ
それは余りにも巨大な牢獄
いつになりゃあの自由に手が届く
そう誰もが夢見てきた脱獄
だが塀の外はとてつもなく遠く
それでも鉄格子とコンクリート
看守の目くぐり抜け勝つヒント
見つけたこのありふれた3人と
第2段落目の主人公
彼も何かの縁で
そこの住人共の仲間入りし
喰らうクサいメシ
シャバじゃ肩書きは
会計士だったってのに
それが何になる
消灯時間になりゃ不安になる
てな毎日が2年と半になる
ある朝だった彼は
生まれ変わったかのごとく
求め出す最低の人権
ビビる仲間ら尻目に進言
看守達と渉り合い折衝丸め込んで
逆に説教
垂れて更に求める環境の改善
頼る仲間らにかわり代弁
独居房に押し込もうとその流れは
アウトオブコントロー ル
勝ち取った権利むさぼるように
未だ彼は高い塀の向こうに
それでも彼は今日もまた言うだろう
オレは自由だと
それは余りにも巨大な牢獄
いつになりゃあの自由に手が届く
そう誰もが夢見てきた脱獄
だが塀の外はとてつもなく遠く
それでも鉄格子とコンクリート
看守の目くぐり抜け勝つヒント
見つけたこのありふれた3人と
よっしゃ今度こそ間違いねえ
オレの読みが正しきゃ
ゴールが近いぜ
暗く長げえトンネル
この上じゃきっと
自由に鳥が飛んでる
捕まりゃそうとうキツい
過去25回の脱走未遂
だがやったるぜオレは何度でも
こんな場所にゃガマンならんとても
日々の暮らしで忘れがち
だが事実飼われてんだまるで家畜
何が自由だアタマでっかち
真の自由は隠し持つトンカチ
毎晩ベッドにゃ紙粘土の身替わり
2時間ごとの看守の見回り
うまくやり過ごすと
まだひたすら抜け穴掘ったんだ
コツコツと
そして約半年経った
この日全て準備が整い
深夜決行した大脱走
出口はすぐそこさあ旅立つぞ
暗く長げえトンネル抜け出し
今世界へ
振り向くと見慣れたあのデカい塀
中に残る仲間達にオレは言うんだ
これが自由だ
と喜ぶことほんのつかの間
夜霧の向こうに見えてきたのは
さっきより更に更に高い壁
状況は未だに向い風
ガッデームまあしゃあない
前に進むしかない
こうなったからにゃ振り
向かないで目指す
未だ見ぬ理想のユートピア
明日はどっちだ