アメンボ

fujimaki ryouta

夏の気配 夕立は去り行く
来ない君を待っている
僕はアメンボ
あの頃はまだ苦しいばかりの
恋をした
どうしようもなくて
空を見ていた
月より遠い君を探して
手を伸ばしたら
触れられそうな気がして
夏の太陽を追いかけた

飛行機雲を横切る
僕はアメンボ
水たまりから無限の大空に
羽ばたいて
寄せては返し
浮かんでは消える
君への想いが
胸を溢れた
焦げ付きそうなこの町を
飛び出して
夏の太陽は沈んでく
蜃気楼にかすみそうな
未来を僕の心が捉え始めてるよ
追いかけながら
つかめない影よりも
運命だけが知っている明日よりも
好きと言えたら
変わるような気がした
心の奥の勇気に賭けたい
七つの海を七つの山をも
渡ってゆける炎を宿して行くよ
扉を開けて行くよ

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