オリオン通り
和義 斉藤
夕暮れのオリオン通りには
帰らない人の群れに
苛立ちの爪磨く僕のリズム
自己主張の裏通りには
情けない財布の中身
十字屋を通り過ぎて
神社の階段を駆け上る
海へ行こう夏が来る前に
君を誘い出して
海へ行こう遙か遠い空の下へ
駅前のスタンドカレーは(放課後の)
最高のご馳走だね(僕たちの)
憂鬱な将来を少しだけ
忘れさせてくれる
海へ行こう夜が来る前に
君と二人小さなこの街を抜け出して
海へ行こう遙か遠い空の下へ
海へ行こうこのまま歩きながら
オリオンを眺めて