月の石
敬之 槇原
あまりにも綺麗な
今夜の月を眺めながら
どこかで飾られてある
月の石の事を思った
人間のやることは
いつも勝手で乱暴すぎる
なんでも平気で輝けぬ
場所に持ってくる
親のため友のため師のため
自分を支える全てのものの為にと
決めた心で闇に飛び出した
優しきものの為に
太陽の光を借りて道を照らす事を
奪われてもなお黙っている月の石
街灯もない頃は
月明かりで夜を歩いた
大切な人の一大事に
潜む獣も承知で
朝を待てず飛び出した
涙涙に飛び出した
一つの心見守って月は輝いてた
親のため友のため愛するもののため
自分を支える全てのものの為に
同じ理のある命を
奪う事を愛とは呼ばない
月にウサギが居なかったんじゃない
乱暴な心におびえて隠れていただけ
親のため友のため師のため
自分を支える全てのものの為にと
決めた心で闇に飛び出した
優しきものの為に
太陽の光を借りて道を照らす事を
奪われてもなお黙っている月の石
いつか返してあげたいな
輝けるべきその場所へ