雪ノ女
TAKARANO ARIKA
粉雪を凍らせようか
地に舞う前に
吐く息ひとつで
つららと見紛う
氷の匕首
雲が裂けるたびに
月も刃を見せよう
憎しみの為に
出逢う定めも
また愛し 故に
藍より青く
想いを遂げるその日には
静かに空は澄みゆき
溶けるだろう
向き合う心は所詮
氷の鏡
亀裂を留めて
もはやその姿
映しはせぬまま
血の通った首に
ただ焦がれ続けた
刺し違えるなら
交わした契り
なお近し肌に
愛より深く
怨みを埋めてゆけども
冷たい涙に戻り
跡形無く
憎しみの為に
出逢う定めも
また愛し 故に
藍より青く
想いを遂げるその日には
遙かに空は澄みゆき
雪崩れるだろう