アゲハ
丈洋 河野
窓から投げた声と丸めたてのメモ
バカって書いて笑ってた
きみと未来が生まれた
袖を汚し誰のものでもない
心を持ってたんだ
焼けた素肌で駆け出す
水鉄砲を持っていこう
飛行機の背中をそう追っていけ
その手に持っていたことが
すべて言えた気になってた
さよならアゲハ
沢を下る風の名をさらって
ぼくらは生きてた
きみの嫌いなトカゲは
闇を見てる何ものも恐れず
心を去ってたんだ
バネの力で跳ねてく
オナモミを取っていこう
土曜日のごほうびをそう放り出して
その手に持っていたことが
すべて言えた気になっていて
行く手に待っていることが
すべて見えた気になってた