かげろう
夏海 小林
きらきらとこぼれてく
音もなく消えてく
いつか見た空の色
海の色も
でも目の前にいるあなただけは
信じたくなる
永遠なんてどこにもないと
知ってるのに
ゆらゆらと頼りなく
揺れていた陽炎
その先に待つ人は
誰だっけ? ねえ?
今目の前にいるあなたをぎゅっと
抱きしめるのは
永遠なんてどこにもないと
知ってるから
消えないように 祈っては・・
失うことでしか進めない時があった
裸足のままでたどり着く場所が
朝の来ない荒れ地でも
今目の前にいるあなたからは
逃げたりしない
暗闇のなかで燃える陽炎に
手を伸ばして触れてみたくて
永遠なんてどこにもないと
知ってるけど知ってるから
だから今