Sailing Ship [Broken Ver.]

Jun Maeda

ネジを巻いて祈る 針よ進めと
柱につけた背丈の印も色褪せ
五時を知らすサイレンも消え失せ
きみだけを置き去りに
こんな遠くまでやって来た
眠ってた 夢の中 シーソーに座ってた
正面は宙ぶらりん そこで止まっていた
日が落ちて暗くなりそれでも待ち続けた
目覚めても夢は続いててその地獄に泣きそうだ

そうだ さくらんぼの駄菓子が好きだった
爪楊枝を使って交互に食べ進めた
奇数だからいつもひとつ残った
その一個をずっと見てた
いつまでも胸に飾っておく
眠ってた 夢の中 懸命に走ってた
きみのため焦ってた あまりにも無力で
助けてと繰り返し色んなドアを叩いた
直してと額つけ占い師すらだって
藁にすら縋ったのにどんな光もなく
彷徨った闇の中もう何も見えずとも
さくらんぼの駄菓子を頬張って元気出せ
いつの日か動き出す カチカチと音を立て
失った時間まで取り戻す勢いで
未来すら切り開く びゅうびゅうと壮大に
風を受け大海を突き進む帆船になれるさ

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